事業承継に株式譲渡を活用する際は、メリットだけでなくリスクにも目を向けることが大切です。契約不備や税制度の誤解、株主構成の変化などが原因で、経営に影響を与える可能性があります。このページでは、事業承継と株式譲渡を組み合わせる場合に押さえておきたい注意点について整理しています。
契約・法務面で見落とされやすいポイント
事業承継に株式譲渡を導入する場合、契約書や株主名簿の確認、譲渡制限の有無など、法務面の整理が重要です。譲渡制限株式が放置されると、手続きが進まず譲渡が無効となることもあります。また、表明保証や解除条件が契約に明記されていないと、未確認の借入や雇用条件が承継後に問題化する恐れがあります。
税務の盲点と事業承継での株式譲渡リスク
株式譲渡による事業承継では、譲渡益課税や贈与税、相続税など税務上の判断が複雑になります。特に時価よりも低い価格での譲渡は、贈与と見なされ課税リスクが高まります。事業承継税制の適用要件を満たせないと、予定していた優遇措置が受けられなくなる場合もあります。
株主構成・経営体制の変化がもたらす影響
株式譲渡後は、株主構成の変化によって経営判断や意思決定のスピードが低下することがあります。譲渡前に単独株主だった場合と異なり、複数株主となることで意見の食い違いが起こりやすくなります。株主構成の整理や議決権の配分、後継者の育成は、株式譲渡の前に行うべき重要な準備です。